『『脳を活かす仕事術』『ひらめきの導火線』(PHP研究所)ダブル刊行記念 茂木健一郎講演会脳を活かす仕事術 ─「わかる」を「できる」に変える―』

脳を活かす仕事術

脳を活かす仕事術

ひらめきの導火線 (PHP新書)

ひらめきの導火線 (PHP新書)

脳科学者の茂木健一郎さんの講演会に行ってきました。

『脳を活かす勉強法』が65万部を超える大ベストセラーにもなったこともあり、会場は満席で、私も当日券を1時間前に並んでぎりぎり入手できたくらいの大盛況でした。

脳を活かす勉強法 奇跡の「強化学習」

脳を活かす勉強法 奇跡の「強化学習」

今回の講演会では以下の3つの話がありました。

脳の「感覚性学習の回路」と「運動性学習の回路」のループを回す!
「感覚性学習の回路」とは、見たり、聞いたりするインプットのことで、「運動性学習の回路」とは、書いたり、話したりするアウトプットのことです。「わかっている」けど「実行できない」というのは、前者が後者よりも発達し過ぎていてバランスが取れていない状態にあることが理由とのことです。アウトプットを無理してでも始めると自分自身との対話が始まり、このループが回り始めることで自己の成長が始まるそうです。バランスが取れている典型的な職業は「職人」で、前者が後者よりも発達し過ぎている人は「ロマンチスト」になりがちとのことです。『脳を活かす仕事術』にしっかりと説明されています。

日本人には創造性が無い?
『ひらめきの導火線』の大きなテーマですが、「ノーベル賞」と「トヨタの提案書」を対比として例に挙げていました。「ノーベル賞」とは一人の天才の独創的なアイデアで、「トヨタの提案書」とは社員全員が実施している日頃のアイデアのことです。茂木さんの考えでは、創造とはサッカーと同じで「パス回し」と「ゴール」の部分から成立していて、日本では「パス回し」が、そして、西欧では「ゴール」が重視されているだけで、どちらも同じ様に素晴らしく、創造の評価に対する文化の違いに過ぎないとのことで、日本人にも立派な創造性があるということでした。

なぜ、茂木健一郎さんはいつも元気か?
希望を持つという技術があるからとのことです。
知識があるだけではダメで、知らないことも大事で、空白が無いと希望は持てないそうです。自分や世の中のことを分かると判断すると脳の成長の妨げになるので、常に何がどうなるか分からないという「空白」の意識でいるそうです。そのために、知的な遊びとして「相手と人生が入れ替わったらどうなるだろう?」と考えて楽しむそうです。また、普段の仕事場から離れたり、他人と会話をしたり、休暇や会食により、違った視点を持つことでもこういう意識になるそうです。

とても内容の濃い講演会でした。私も読書などのインプットに集中しがちでしたが、なるべく、人に説明する機会をもつなど、アウトプットも重視しなければと再認識しました。

しかし、茂木さんは寛大な方です。
この講演会の様子(95分)も驚いたことにもうMP3ファイルでダウンロードができます!「クオリア日記」は本当にライフログなんですね。まさに茂木さんの足跡(そくせき)そのものです。

この2冊の書籍と講演会の音声でインプットした後は、是非とも何らかのアウトプット(行動)を始めることをお勧めします!