『二十世紀とは何か、そこに生きた自分とは何か』

今日は「海野弘」という作家の講演会に行ってきました。
海野氏は「美術」「映画」「音楽」「都市論」「華道」「小説」など幅広い分野の本を書いています。

二十世紀

二十世紀

この本、なんと600頁もあります。重いです!
著者は最初は10冊のシリーズと意気込んでいたのですが、文藝春秋から「この本は若い人にも読んでもらうのだから1冊にまとめてください。」と説得させられた結果、なんとも厚い本になってしまったとのことです。

この『二十世紀』という本は、自分も生きた、かけがいのない、この驚異の世紀を後世に残そうと思い、「政治」「経済」「社会」「文化」「美術」のまるごとの視点から、100年をデケイド(Decade,10年)に区切るという手法を使って、執筆したそうです。

ざっくりとデケイドに区切った結果、以下の様になったとのことです。

1900年代 春のまどろみ
 まだ19世紀の余韻が残る、ピカソやキューリー夫人の時代
1910年代 大いなる戦い
 第一次世界大戦タイタニック号の沈没(階級社会の崩壊)
1920年代 ローリング・ジャズエイジ
 最も楽しい時代。映画、ジャズ、自動車、ラジオなどのライフスタイルの誕生
1930年代 トラブルの時
 ヒトラーの大虐殺やスターリンの大粛正とピカソの「ゲルニカ」絵画
1940年代 引き裂かれた時代
 前半が戦争で後半が平和、ヨーロッパからアメリカの時代へ
1950年代 ヒッチコック・エイジ
 ヒッチコック映画とティーンエージャー文化
1960年代 大動揺時代
 ベトナム戦争の反体制運動、ヒッピーとサブカルチャービートルズ
1970年代 ナルシス・エイジ
 石油ショック成長の限界、挫折と失望の時代
1980年代 幻想と貪欲の八十年代
 バブル、レーガン、マイケルとマドンナの時代
1990年代 二十世紀末
 ソ連の崩壊とグローバリゼーション

本を書くうちに、「カルチャー」が栄える年代は30年周期(1920年代、1950年代、1980年代)で巡ってくることを発見したそうです。

講演会では僅か1時間半でこの100年を振り返りましたが、デケイドで区切って見ていくことで「二十世紀」全体の整理がなんとなくできた気になりました。

「歴史」は人間の活動で形成されるため、「歴史」は繰り返すとのことです。それ故、「歴史」を学ぶ意義は大いにあるとおっしゃっていました。

私もまだざっとしか読んでいないのですが、気分転換に少しずつ読むのも有りかなと思いました。
書店で見かけたらぜひ手にとって読んでみてください。