『マイクロソフトでは出会えなかった天職』

マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった

マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった

著者のジョン・ウッドは、トレッキングで訪れたネパールの小さな村の学校の図書室にほとんど本が無いことを知り、本を贈ることを約束して、それを実行するために友人たちに協力をお願いするメールを書きました。そこから始まった「貧困は教育の改善で断ち切れる」という強い信念により、彼はマイクロソフトの重役の地位を捨てついには社会起業家になることを決意するのです。

彼はその時の本を贈るという約束を守り、ロバにたくさんの本を載せてその村を訪れるのです。こんなことを実行できる人は先ずいません。

その後がさらに素晴らしいのです。マイクロソフトを辞め、恋人とも別れて、「ルーム・トゥ・リード」というNPOを立ち上げ、「2020年までに1000万人の子供に生涯の教育機会を届ける」と宣言するのです。

NPOマイクロソフト」を目指す「ルーム・トゥ・リード」には、慈善活動に新しいビジネスモデルを持ち込みます。1)何にお金が使われたか詳細な数字で報告する、2)人件費などの運営コストは10%程度に抑えて実際の活動に多くを投資する、3)地元の社会にも人やお金を出させて共同出資の形態をとる、4)「チャプター」という資金を収集する拠点を組織化するなどです。

従来の「ボランティアごっこ」ではなく、「寄付という商品を販売するビジネス」に置き換えたのです。彼の目標を早期に達成するためには、企業並みのお金を収集するための仕組みと組織運営が大事で、彼はそれに正面から立ち向かったのです。

寄付には以下の商品があります。

図書室の建設:1万ドル、学校の建設:1万5000〜3万5000ドル、コンピュータ室の建設、10年間の奨学金など

これらに寄付者の名前を付けて、実際に訪問することもできるそうです。顧客満足度を高く維持する優れた仕組みです。

2007年の寄付見込みは1500万ドルとのことです。

現在の「チャプター」は、ニューヨーク、ロンドン、東京、他、世界30都市にもおよび、地元の有償・無償のボランティアが寄付を集めるのです。彼は「ルーム・トゥ・リード」の顔として、世界中のメディアに出たり、世界各地で頻繁に資金集めの講演会を行うのです。また、活動対象地域は、ネパール、ベトナムカンボジア、インド、ラオススリランカ南アフリカ等の国々に広がっています。

http://www.roomtoread.org/about/downloads/RtRJPN.pdf

http://www.roomtoread.org/index.html

そんなすごい彼ですがなんと12月初めに来日するとのことです。前回の来日の際には2000万円を1晩で集めたとのことで、今回はそれ以上を集めるのかもしれません。きっとメディアにも多く出ることでしょう。

「社会貢献には気持ちだけでなく結果で応えていく」という本格的な時代がやって来ました。

私もこんなすごい人になりたいです。