『神田昌典×勝間和代 「仕事力10倍アップのための新・知的生産術」』

神田昌典×勝間和代 「仕事力10倍アップのための新・知的生産術」』の講演会を聞いてきました。

勝間さんの青山ブックセンター主催の講演会は仕事の都合で行けず、丸善は売り切れ、そして、今回の紀伊国屋も前売券は売り切れとのことで、かなり凹んでいましたが、当日券(18時30発売)があることを電話で知って、18時に会場にダッシュで駆けつけました。誰もいなかったので間に合ったと安心していると、無情にも「もう売り切れました。」と言われてしまい、ガックリと落ち込んでいると、「当日券のキャンセル待ちの整理券があります。」と天使の声が聞こえてきました。お陰で何とか当日券を獲得して会場に入ることができました。

こんなに人気のある講演会は初めてでした。

会場の417席は満席で、客層は男性が8割くらい、しかも、20代前半が中心で、大学生も多く見受けられました。ビジネスマン向けのセミナーと言うよりも、大学のシンポジウムといった雰囲気が最初からありました。

パワーポイントでのプレゼン形式を当然予想していましたが、今回は、神田さんと勝間さんの対談形式で、しかも、聞きたいことを最初に会場から聞くという形式で、その場で前半が「勝間さんの過去の苦労話」、後半が「知的生産(効率化)の先にあるもの:これからの時代はどう変わっていくのか」を中心に話すことになりました。神田さんが上手く質問をテーマに整理して、しかも、勝間さんがこれについていくという展開だったので、会場全体が緊張感で張りつめ、通常の本の講演会というよりは、本格的なシンポジウムになっていました。

1.勝間さんの過去の苦労話
マッキンゼーでは、勝間とは会話が通じないと言われた。
人事部がアンケートを取ったところ、問題は3つあり、「相手の話を聞いていない」「自分の思った話しかしない」「とにかく早口」と指摘されたが、これにもめげずに、素直に自分の欠点を克服していったとのことです。
確かに自分の欠点はなかなか自分では分からないので、素直に人の意見を聞き入れて、それを実行することは本当に大事だと思います。
・仕事や「ムギ畑」でも常に周りの多くの人に助けてもらった。
一生懸命に頑張っている純心さに「助けてくれオーラ」が出ているらしく皆が応援したくなるそうです。
やっぱり、実行力が凄いんですね。周りの人は思っていても実行しないのに、それを勝間さんは実行するから、その夢に乗りたくなるのかもしれません。
座右の銘は「起きていることはすべて正しい」。
監査法人で、子供ができたと言った途端、「パートタイムだね。」と言われたことで、外資系への転職を決意して、結果として、英語をマスターすることになり、また、外資系で、本を本格的に書くと決意したところ、「印税は全部寄付してね、書くのはまとまった休日にしてね。」と言われたことで、結果として独立することになり、一流コンサルタント内閣府委員、ベストセラー作家の道を歩むことになったとのことです。
何でも前向きにとらえる姿勢がエネルギーになり、成功の源になるのですね。

そして、遂に、2/4発売の『週刊ダイヤモンド』では勝間さんが表紙として登場、32ページの特集が組まれることになったとのことです。
最近の勝間さんのブレークぶりは本当にすごいです。シンデレラ・ストーリー?みたいです。

2.知的生産(効率化)の先にあるもの:これからの時代はどう変わっていくのか?

勝間さんご自身は、シングルマザーであり、ワーキングマザーのための「ムギ畑」を長く運営しています。「インディでいこう!」「猪口さん、なぜ少子化が問題なのですか?」も書かれており、SRI(Social Resposibility Investment)を強く意識しているとのことです。「勉強法」「時間術」「金融リテラシー」「新・知的生産術」の内容をよく考えてみると、勝間さんなりの、弱者がこの厳しい世界で生き抜くための知恵の提供、社会貢献という面が見えてきます。

インディでいこう!

インディでいこう!

・2009年には社会起業家がブームになる。
神田さんによると、歴史は70年周期で繰り返しており、環境や少子化が大きな問題となったことも重なり、「社会起業家」のような、社会に貢献することが、格好いい、モテる時代が到来しつつあるとのことです。携帯電話で簡単に個人の動画が見られるなど、技術やインフラが整備されつつあることにも大変注目しているとのことです。

情報格差社会で知的生産(効率化)の先にあるものは?
自分の才能や努力によって得られた情報に責任を持ち、自分だけでなく、社会のために使うという思いで、どういう社会を創るというところまで考える、自分は社会に何ができるかというテーマを持つことが大事ということです。
こんなに真剣なテーマがこの講演会で論じられるとは思いませんでした。

・スーパー資本主義は行き過ぎた。
長時間労働や偽装問題など、スーパー資本主義のデメリットが目立ってきており、集団は賢明であるので、反スーパー資本主義の流れが必ず来るとのことです。

この講演会、もはや、シンポジウムですが、神田昌典さんと勝間和代さんで全国各地で開催すると社会的に影響がありそうだなと思いました。勝間さんのロールモデル堺屋太一氏とのことですが、すぐに堺屋さんを越えるなと直感しました。21世紀の社会を変革するのは、政治家、官僚、経済界のビジネスリーダーではなく、「勝間さん+草の根レベルの全国の応援者」なのかもしれません。

私が今できることはとても小さいのですが、自分の仕事や勉強を通して、草の根レベルであっても、少しでも周りの人たちに小さな影響を与え続けていこうと思いました。
今日はいつになく真剣モードです。
神田さん、勝間さん、有難うございました。

3つの原理―セックス・年齢・社会階層が未来を突き動かす

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P.S. 『決算書の暗号を解け!』【出版セミナー】
勝間さんの決算書関係のセミナーもあるみたいです。

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『決算書の暗号を解け!』〜明日から使える、ビジネスと投資の両面で役立つ決算書の読み方〜
勝間 和代氏(経済評論家/公認会計士
日時:2008年2月15日(金)19:15〜20:45
場所:アカデミーヒルズ オーディトリアム(森タワー49階)
http://www.academyhills.com/library/topic_080215.html