『日本マクドナルド社長が送り続けた101の言葉』

日本マクドナルド社長が送り続けた101の言葉

日本マクドナルド社長が送り続けた101の言葉

かんき出版『日本マクドナルド社長が送り続けた101の言葉』刊行記念〜原田 泳幸 氏 講演会&サイン会に行ってきました。

原田さんは、「アップル日本法人」社長として低迷時代の経営を立て直した後、今度は業界の違う「日本マクドナルド」のCEOとして僅か4年間で業績をV字回復させたという、「コンピュータ(Mac)」と「ハンバーガーの(Mc)」の2つの「マック」の救世主です。

講演会のプレゼンは、もちろんMacで、写真や表のエフェクトにもセンスがありました。

内容は、「日本マクドナルド」のことがほとんどでしたが「アップル」のことも一部含んでいました。一部をご紹介します。

尊敬する人は?
人には長所や欠点が必ずあるので全てを尊敬できる人はいないが、田中角栄小泉純一郎坂本龍馬の「世の中を変えようというリーダーシップ」は尊敬できる。

若い人に思うこと
考えることが少なく、無難で、リスクを排除している嫌いがある。常に深く考え、建設的なディベートをして前に進んでいく姿勢が大事である! 問題を起こしているやつこそが仕事をしているのだと思う。挑戦すれば必ず問題は出るのだから・・・。

日本マクドナルドは定年制度がない!
定年制度は年功序列社会での合法的解雇だと思う。日本マクドナルドでは定年制度を廃止した。人材は常に適材適所にあるべきなので「部長→課長→部長」でもいいし、役員後に70才で講師になってもいい。

アップル(A)とマクドナルド(M)はこんなに違う!
成長の鍵 技術(A) 人(M)
購入判断期間 2〜2.5年(A) 数秒(M)
商品サイクル 3ヶ月(A) 永久(M)(注)
(注)商品の売れ筋は永久。最初の2週間で売れないものは終了。

アップルの経営改革
1.物流基盤の改革
卸店と販売店の絞り込みとマージンの削減およびサポート強化
価値を創造する場所に集中
2.戦略的新商品の投入
iMacの投入と無形の価値(ワクワク感、デザイン、ブランド:企業の心)の重視

マクドナルドの経営改革
1.基本への立ち返り
QSC(Q:クオリティ、S:サービス、C:クレンリネス)の向上
品質、美味しさ、安全性、できたてなどの商品の品質、サービス、清潔感
2.戦略的シーケンスの組み立て
基礎をしっかり作った上での一段上への新たな施策の積み上げ
QSC→100円メニュー→新メニュー(えびフィレオ、サラダ、ピタ)
→地域別価格→24時間営業→メガマックマックグリドル

マクドナルドの理念とは?
マクドナルドのスーパーコンビニエンスは止まらない」

仕事で大事な姿勢とは?
①基本に立ち返る、②強さを伸ばす、③チャレンジを忘れない、④顧客の視点で考える

リーダーシップとは?
自分のチームを最大限に持って行くための言動のコントロール
私はめったに人を褒めない、当たり前以上のことをやって初めて褒める。

企業の人材について
CEOの後継者を作る人材パイプラインが必要。女性の積極的な起用も企業の活性化に不可欠。これらが出来ている企業が長年に渡って利益を出している。

講演会が終わって思うこと
確かに、この数年のマクドナルドは昔の「ジャンクフード&あまり美味しくない&格安」というイメージから「えびちゃんの元気さ&味も悪くない&メガマックの斬新さ」に変わってきています。講演会の帰りにも、久しぶりにマクドナルドに寄って夕食を食べましたが、注文後に作り始める手際は見事で、レジのスタッフもこれ以上できないくらいの笑顔だし、しかも、コーヒーの味も「ドトールより美味しく、エクセルシオールと同じレベル」でした。本当に変わっていました! 「2時から スナック タイム ¥150(飲み物+スナック)」も安い割には満足でかなり衝撃的です!

最近マクドナルドを利用していない人は、是非とも利用してみましょう! !

尚、本書は日本マクドナルド社長として14万人の社員とクルー向けに書いているブログを未来ある若い人たち向けに加筆・修正したもので、V字回復中の経営で培われた鉄則が101の言葉で綴られています。自分が日本マクドナルドの社員になった気にもなれました。原田さんは厳しいですが世界に通じる経営者のように思えました。まだ59歳です。数年後、次はどこの業界に行くのでしょうか?

皆さんも、是非お読みになると良いかと思います。

もっと深く知りたい人にはこちらも良いのかもしれません。