『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』

不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書)

不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書)

丸善本店で開催された『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』刊行記念講演会に行ってきました。

本のタイトル名がネガティブ過ぎて私は少し引いてしまったのですが、1/20に発売後、この2ヶ月で12万部も売れているとのことです。

「不機嫌な職場」とは?

最初に劇団が演じた「不機嫌な職場」のシーンの映像を見ました。

・挨拶もなく淡々と仕事をはじめる
・職場は静かで隣との連絡もメールが中心
・ランチも一緒に取ることはない
・仕事も個人が中心で、しかも、代わりがいないので、いつまでも同じ仕事を任される
・自分の仕事が精一杯で、相手の立場でモノを考える余裕もない
・そこはかとない孤独感を感じる

これは極端な例かと思っていましたが、「こんな職場の人はいますか?」との質問に、なんと会場の半分以上の方が手を挙げたのです!
ブログでの書き込みでも同感する方が多いとのことです。

最近の日本の職場では「個人成果への過度のプレッシャー」や「つながりを作る飲み会などのイベントの減少」などの状況の変化により、「関わらない、協力しない」という意識が職場全体に波及してしまったとのことで、これにより、「自分の殻に閉じこもる」「他者のことには関わらない」という関係の希薄化が進んでしまい、そして、最後には「人が壊れる」「生産性の低下」「品質問題や不正の発生」まで陥いることがあるそうです。

この問題を断ち切るためには?

先ずは、個人が変わることで、ムーブメントを作ろうという提言がありました。

以下のステップで始めると良いとのことです。

ステップ1. 仲間への「信頼」
「協力する」=「社会的交換」には「信頼」が必要なので、先ずは仲間を「信頼」する。「信頼」すると仲間から「感謝」(ありがとう)と「認知」(すごい)がもらえる。
ステップ2. 「感謝」と「認知」
仲間からの「感謝」や「認知」を裏切らず、こちらからも仲間に「関心」を持って「感謝」と「認知」をする。
ステップ3. 職場のグループで展開
ポジティブフィードバックの輪を職場のグループで拡げていく。

このステップが上手くいくと「良い感情の連鎖」が生まれて「仕事がおもしろい」「職場が楽しい」「会社が好きだ」につながっていく・・・とのことです。

本書では、社会心理学の視点でみた理論的な解説と、協力し合える組織の例として「グーグル」「サイバーエージェント」「ヨリタ歯科クリニック」の例が書かれています。

具体的な解決方法の記載がやや少ないのですが、「不機嫌な職場」というタブーにメスを入れたところはすごいです。
次回作は「不機嫌な家庭」だそうです。

先ずは「感謝して、そして、褒めよう!」ですね。

そう言えば、最近は「ほめる言葉」に関する本も数多く出版されています。これらは直ぐにでも使えるので、結構、参考にしています。

すぐに使える ほめ言葉ワークブック

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ほめ言葉ハンドブック

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